(禁断)瞳を閉じて。【完】
チャペルに入り、新婦側の真ん中の長椅子に、豊先輩・遥・私・優君の順に並んで座った。
私たちの前に座るらしい、陸兄たちはまだ来てない。
無意識に俯いていると、「兄貴、遅い!」と言う、陸兄の馬鹿デカイ声が聴こえて来た。
「神聖なる場所で叫ぶんじゃねぇよ」
呆れたような、空の声も。
「大丈夫…。大丈夫だから…」
優君と遥が背中を擦ってくれる。
顔を手で隠し、「間に合ったな」と、安堵のため息を吐いてる空が座るのを待った。
「……優、あのさ…」
…え…?
バレてるの…?
「兄貴!座れよ!」
「……だな」
陸兄のフォローのお陰で、空は大人しく座った様子。
遥の「顔、上げて良いよ?」と言う声で、私は顔を上げた。