(禁断)瞳を閉じて。【完】
「「海ちゃん」」



流れる涙をそのままに居た私を呼ぶ声。

入り口を向けば、私たちと変わらない、スーツを着た洋介さんと、ピンクの華やかなスーツ姿の美咲さん。



「ごめんね。先に謝る…」



「俺ら、先輩たちを騙した。
遥ちゃんと計画したんだ。このままじゃいけないって」



…“騙した”…?

私は立ち上がり、美咲さんに首を傾げた。



「神様の前で嘘は言わないでね?」



「……海ちゃんが一緒に居たいのは、好きな人は誰?」



誘導尋問としか言い様のない質問に、唇を噛んだ。

すると遥はため息を吐き捨て、あの日、優君が持ってた招待状を渡して来た。
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