(禁断)瞳を閉じて。【完】
*誓い*
マタニティー用の特注品、私だけの純白ウェディングドレスを着て、涙目の父親の腕に手を添えた。
「お父さん…ごめんなさい…」
親不孝だった。
世間や道徳を捨ててくれた両親には、頭が上がらない。
「幸せな姿を見れたら、親は嬉しいんだ…。認めた条件は、突き放すのは、俺たち親の愛だよ」
遥が何度も説得してくれたらしい両親。
「海が居る街で暮らすなら」って、条件だったらしい。
世間を捨てたと言えど…見る目はやっぱり、気にしてしまうみたいだ。
当たり前の事。
私はその愛を胸に、深く刻んだ。