(禁断)瞳を閉じて。【完】



夜、遥とご飯を食べてると、私の携帯が鳴った。

私は銜え箸をしながら、携帯の待ち受けを見て思考停止。

“高梨 空”――…
何で、掛けて来たの?

「忘れよう」とか、言うつもり?

…何で、胸が痛いの…。



「もしもし……お久しぶりです、遥です」



私が電話に出ないのにイラッとしたのか、遥が少し低い声で、空兄と話してる。

私は箸を置き、俯く。

ーーパチン

数分で切れた電話。

遥は私の携帯を閉じると、ベッドに投げた。



「空さん、今から来るって」



「……何で?」



…やっぱり、忘れようとか言うんだ…。
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