(禁断)瞳を閉じて。【完】
私がボーッとしてるうちに、陸兄がお迎えに来た。

優君に「恋に悲しみも付き物だよ」と言われながら、見送られる。

陸兄は「何がだ?」と、私と優君を交互に見る。



「何でもないよー」



私は陸兄の車に乗り込み、ため息を吐いた。

私は自身で空兄と自分の“兄妹”という関係を壊したんだ。



「帰るか」



陸兄はエンジンをかけ、前後を確かめて車を走らせる。



「……ッ……」



陸兄みたく、私は何故、空兄をお兄ちゃんとしとして見なくなってたんだろう。

苦しくて涙が溢れる。

陸兄は何も訊かず、ティッシュの箱を私へ渡して来る。
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