(禁断)瞳を閉じて。【完】
「陸が居るでしょうに」



母親は嫌そうな顔をしながら、空になった洗濯カゴを持ち、私の前に来る。

“貴方の息子さん、ヤってますよ!”って言えない為、「彼女さんと話してたから」と言って、ダイニングテーブルに宿題を置き、椅子に座った。



「…“お邪魔します”って、挨拶もしない子と付き合ってるのかしら」



母親が不機嫌そうに私の横に座り、数学の問題集を見る。



「あ、お母さんにはわからない…。忘れてるわ」



でも、母親は問題集を閉じた。

…うっそ;;

私の勉強が苦手なのは、母親譲りだろうと、今、実感した。
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