(禁断)瞳を閉じて。【完】
「んッ―――…」



強く、離れられないほどに抱き締められ、唇が奪われてる。

私が目を開けると、そこには怒った目をした空兄。

…何で…?



「んぁ…ン…っ…」



空兄は私と視線を合わせたまま、私の唇を舌で抉じ開ける。

大人のキスが初めての私は、戸惑いと恥ずかしさに瞼を下ろす。

空兄は舌と唇を交互に私の肌に這わせ、顎、首筋を通り、口を耳へと近付けた。



「酒も煙草も男も、お前には早いんだよ」



それだけ言うと、空兄は家の中へと入って行く。

私はストンっと、地面に尻餅を着いた。
< 38 / 144 >

この作品をシェア

pagetop