(禁断)瞳を閉じて。【完】
*告白*
「――み、海…」
どれだけの時間が経ったのか。
私は陸兄の声で目が覚めた。
「…死ねてない…」
「何、言って……」
辛そうな表情をしてた陸兄が、私を見て固まる。
私は陸兄の隣に立ってた優君に気付く。
外は暗そうだし…お見舞いに来てくれたのかな。
「海。優が助けてくれたんだ。
優ん家に俺が財布を忘れて、届けに来てくれて」
「私は…死にたかった…」
私は力の入らない左手を見る。
包帯が巻かれていて、処置されてしまった事に悔しさを感じた。
酸素マスクをずらし、私は起き上がろうとする。
「海――ッ!!」
でも、陸兄に肩を押さえ込まれてしまった。