(禁断)瞳を閉じて。【完】
私の態度にため息を吐きながら、陸兄は優君を引き連れて病室を出て行く。
私は力の入らない左手を掴む。
無意識に包帯を外し、ガーゼを取った。
糸で縫われた手首…外したら次は消せるよね。
私は起き上がり、ベッド脇にある棚の引き出しを開ける。
ハサミを探す為に。
しかし、ハサミは見当たらない。
仕方ないと、ソファーに置かれた自分のスクールバックに手を伸ばした。
筆箱を取り出し、カッターを出そうとするが、ない。
…何で…!
私は狂ったかのように、切れるモノを探す。
陸兄や優君の荷物までも。