(禁断)瞳を閉じて。【完】
私は「死にたい…」と涙ながら呟くも、両手をダラン…と、下ろした。

ポタポタと垂れる血。

空兄は近くにあった白いタオルで私の腕を縛る。



「ベッド戻るぞ」



私を抱き上げ、ベッドに寝かすと、ナースコールを押した。

ナースコールは、静まり返る廊下にも響いて居たのか、看護師さんたちより、陸兄と優君も戻って来た。

処置してる間、私の右手は空兄に握られていた。

私の冷たい手に対し、温かい手。

横目で空兄を見ると、弱々しい笑顔で、私の頭を撫でた。

私の胸が、ドクンと、大きな波を打った気がした。
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