(禁断)瞳を閉じて。【完】
“俺と付き合わないと、どうなるかわかってる?”って、典人さん言った。

捕まった理由が、本当に陸兄が言った通りだったら、私はどうなるの…?



「ヤダヤダヤダ…」



「海、典人と何かあったか?」



「ヤダヤダヤダ…怖い…」



私は陸兄の腕の中で小さくなる。

…空はどこなの…。



「空…は…?」



「残業。だから俺で嫌かも知れないけど、話してくれ…」



嫌じゃない―…
頼もしく思う―…。

でも、言えない。

目を閉じても、開いても、典人さんが見えてしまう。

幻覚だとしても……恐怖感が激しく襲う。

話したら…“殺されるかも”と、思った。
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