(禁断)瞳を閉じて。【完】
*苦味*
ーーブーンブーン
体調不良を言い訳に、学校を休んで5日。
遥からメールが来た。
≪迎えに来た。久しぶりに家に来ない?飲も!≫
私が部屋の窓から下を見下ろすと、遥が携帯を握った手を軽く振ってる。
私は“待ってて”と口パクで伝えて、適当に着替えを済まし、空にメールをしながら、母親に「遥ん家に泊まりに行く」と伝えた。
グチグチ言われる前に玄関を出て、遥に飛び付く。
「会えて良かった」
「私こそ、ありがとう」
私は遥の腕に自分の腕を絡ませて歩き出す。
もし、断ってたら、遥を傷付けなくて、済んだのに…。