(禁断)瞳を閉じて。【完】
「海は…どうなるんですか…?」



「わからないけど、典人は絶対に洋介からは逃げるわよ。同じ過ちを繰り返させない為に、友達を続けたらしいけど、無理だったみたいだし…」



美咲さんは一度、車を路肩に止めた。

私が「どうしたんですか?」と訊いても、美咲さんは答えずに携帯を取り出した。



「もしもし…私。――ごめん、後ろからついて来られてた。何とか逃げるから、港で待ってて。一緒について来るだろうし」



美咲さんは電話を切ると、私に「ごめんね」と言う。

私は「いいえ」と言いながら後ろを見ようとする。
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