(禁断)瞳を閉じて。【完】



「はぁ…こんな最高な気分になれたのは久しぶりだな…」



私の体にぐったりと倒れて来た典人さん。

私は拳を握り、唇を噛む。

血が出るほど噛んでも、痛みよりも、涙が溢れる。

こんな侮辱的な出来事、初めてで苦しい…。



「おい、美咲たちはどうした。
どうせならあいつも食ってやる」



「…典人、ヤバい…」



典人さんが私の体を撫で回してながら言うと、運転手の典人さんの友達が震えた声で、後ろへと振り返った。

典人さんは身を起こし、友達の視線の先を辿る。

私は引き裂かれたシャツを引っ張り、身を隠すと、ドアが開かれた。
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