(禁断)瞳を閉じて。【完】
ーーピンポーンッ

私の嗚咽をかき消す呼び出し鈴の音。

遥が「はいはい」と、気だるそうに玄関へと行く。

美咲さんは「誰だろう?」と、キッチンと玄関を仕切る、曇りガラスのドアを少し開けて、遥の様子を伺う。

空は私を少し離すと、ティッシュで指でを拭いてくれた。



「よしよし」



丸で子供のようなあやし方で、私の頭を撫でる。

長い脚の上に跨がる私は、俯き、ズズッと鼻を啜る。



「は…?あんた、典人さんの友達なの…?」



遥の戸惑う声が、部屋に届いた。

優君と洋介さんが玄関へと駆けて行く。
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