(禁断)瞳を閉じて。【完】
空の体にしがみ付くと、「大丈夫。大丈夫…」と、優しく声を掛けられた。

部屋に戻って来た遥たち。

3人の後ろに立つ、男の人。



「…………豊先輩…?」



一つ上の先輩で、遥が高1の時に付き合ってた人だ。

美男美女で騒がれてたけど、ただの痴話喧嘩で、別れたんだ。



「海ちゃん久しぶり。俺、典人君と中学からの知り合いでさ…何となく謝りたくて…」



私は「良い…」と、首を振った。

もう、さっきの出来事を思い出したくないのもある。

でもその前に、豊先輩は何も悪くない。



「豊先輩は…気にしないで…」



だから、謝罪はいらない。




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