新撰組の姫君 〜もしもの世界・斎藤一編〜
「えっと…元気出して下さい」

「…十六夜は出来た娘だな…お前と副長だけだ…俺が本物だとわかってくれるのは。」

「一君が饒舌!!」

「明日は雨ですかね?」

「平助も総司もその辺にしとけ。斎藤が拗ねて隊士に被害がいく」

斎藤さんは副長さんの最後の一言に止めを刺されたみたいで項垂れている。

可哀想…

「元気出して下さいね」

そう言いながら頭をなぜる。

何故か皆さんはポカーンとしている。

副長さんは爆笑。…慣れてきたこの流れ。

「…頭をなぜられたのは久しぶりだ。…照れるな」

「なぜ照れるのですか?」

兄さんは練習を頑張った時や落ち込んでいる時に頭をなぜてくれたから何が照れるのか解
らない。

「…なぜといわれてもな」

「あぁ…隊長。すいません。妹の世話は弟に任せていたのですが…その…過保護な所がありまして…常識が抜けていると言いますか、恥じらう所が少しずれていると言いますか…」

「…そうか」

兄様が説明をしているけど…

「…その説明は不名誉です」

なんだか落ち込みそう…
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