新撰組の姫君 〜もしもの世界・斎藤一編〜

「…副長、少し、離れます」

副長にそう声をかけると、副長は彼女に眼をやる。

「おぉ。行って来い。泣き止ませたら戻って来いよ。」

「…御意。」

副長に返事をし、彼女のもとへと急ぐ。

目の前にたっても気がついていない。

無言で彼女を横抱きにする。

「ひぁ…」

驚いたのか不思議な声をだした。

「少し部屋に戻るぞ。」

それだけ言って部屋へと足を進める。

ただ、彼女を泣き止ませる方法だけを考えて。
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