新撰組の姫君 〜もしもの世界・斎藤一編〜
「…気が付いたばかりで戸惑っているかも知れないが副長の所へ行くぞ」

「はい。」

恐らく事情徴収だ。

「隊長、俺もお供致します」

「…解った」

兄様に返事をしたあと斎藤さんは立ち上がる。

「…立ち上がれるか?」

「あ…はい。」

返事をして立ち上がろうとする。が…背中が痛く立ち上がる事が出来ない。

「…ふっ。無理をしなくていい。悪いが抱き上げるぞ」

そう言ったとたんに浮遊感に見舞われる。

「ひゃ…重いでしょう?歩きますから下ろして下さいな」

「…痛みがあるのだろう?運んでやるからおとなしくしていろ」

そう言って微笑まれる。うぅ…反論がし難い…
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