君とアノ子と脇役女
「・・・佳桜類?話聞いてる?・・・ってか意識飛んでる?」
優香凛に声をかけられ現実にぐゎんと戻った私。
麗しい雲の上の存在の人が私の目の前にいる。
(・・・。お美しい・・・。)
「・・・その顔、いや君の全部をくれ~‼」
ガバッと優香凛に抱きついた。
「・・・え‼?何を妄想してたの‼??・・・重っ」
優香凛はあからさまに嫌な顔をした。
「ひどぉい親友様っ‼私じゃご不満ですか??」
重いとか言った失礼な完璧女にオーバーなリアクションをとってみた。
・・・って言ってもいつもオーバーなんだけれど。
「ヒューヒュー‼お熱いねぇww」
ハッと気づいて声の主をみるといつのまにか私たちの周りには人だかりが・・・
みんな私たちの奮闘ぶりを観察している様だ。
(げ・・・。同学年どころか先輩もいるじゃないか・・・‼)
なんてったって年上好きの私。
パッと優香凛から離れた。
「クスクス」
そんな私に気づいてか優香凛は笑いだした。
(くっそ~‼男がいなかったら頭ぐりぐりしてやるのにっ)
奥歯をかみしめ我慢する私。そんな私を笑う雲の上の完璧女・・・