砂糖水に溶かした日常



私の手首を見て、吐きダコを見て
彼は泣きそうな顔をした。

そして、丁寧に私の頭を撫でるのだ。髪の隙間に指を入れて、とかすように。




私は、彼を手放すことなど出来ない。

私は、私を手放すことの方がよっぽど簡単なのではないか、と思った。


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