砂糖水に溶かした日常


ある日、教室に入ると、女子の雰囲気が、変わっていた。
好奇心とか罪悪感とか加虐心とか、いろんなものを詰め込んだ顔をしているのだ。

その標的は、都築千春だった。


都築は細くて、白くて、長い髪に隠れた顔は小さくて、目は大きくて、勉強ができて、スポーツもできる。

他のがさつな女子と違って、控え目で、クラスのモテる女ぶっちぎりの一位だった。

女子は、完璧というものに厳しい。同じテリトリーに入るには傷の舐めあいが強いられる。都築には舐めあう傷がない。

だから、狙われたのだ。


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