先生とひよ子
友達がみんな一人ひとり
帰って行って…


遂にひとりぼっちになった。


寂しくてキョロキョロしても
先生も見当たらない…。


私はグラウンド隅の石段に腰をかけた。



車持ちの先生達は生徒を家まで送ったりもしていて。


先生も…車出しなのかな?


送っているのは
女の子かもしれない…


『…………』


またネガティブな思考が頭を支配する…






『暗い顔。怖い?』


いつの間にか俯いていた私…


ふと顔をあげると
大好きな先生が立っていた。


先生…


『先生…』


なんだか情けない声が出た。


きっと私…

今泣きそうな顔してる…


『先生どこ行ってたの…?』


私の質問に


『え?…トイレだけど?』


先生は首をかしげながら、少し照れたように笑った。


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