先生とひよ子
小走りで先生の車が見える場所まで来ると


運転席の扉が開かれ
中から先生が降りてきた。


私を見て
軽く片手をあげる先生


久しぶりの先生…


私はそのまま
先生の元へと走りよった。



『よぉ、久しぶり』


私に無邪気な笑顔を見せる先生。


学校では見たことない私服姿


黒いパーカー姿の先生は
いつもより若く見える。

『せんせ…』


『わざわざ、ごめんな?』


『……っ』


私はぷるぷると
左右に首をふった。



少し走っただけなのに
息がきれるのは

きっと先生に会えて
胸が苦しいせいだ…



先生は片手に持っている
紙袋を差し出した。



『先生…これ…?』


ホワイトデー…だよね?


『本当はこうゆうの、返しちゃ駄目なんだろうから内緒な』



そう言って、
大好きな笑顔をくれる先生。


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