スノードロップ
-夕方 また昨夜同様にパーティーは始まった
けど昨日よりは人は多くはなかった
司さんも夕方前には帰宅してパーティーの人ごみの中にいた
昨日の姿とは大違いだ…
昨日わたしの肩にもたれていた
司さんは小さい男の子みたいだった
パーティー会場の入口の花の様子を見るついでにふと顔をあげた
入口の隣には階段があり
階段の踊り場には小さい絵がかけられている
歴代の当主の絵画
-蒼井司郎
「第10代当主蒼井司郎…か」
…言われてみたら 確かに司さんは彼に似ている
なぜ司郎様は司さんに本当の事を言わなかったんだろう
傷付くから?
知らなくていいから?
「…なんでですか」
あなたが言わなかった事で彼は苦しんでる
なんで言わなかったんですか
言ってあげたら もっと彼は苦しまないで済んだ
もしかしたら彼はあなたの横で笑っていたかもしれないのに…
未来は違っていたかもしれないのに…
なんで…。
誰かの視線を感じて後ろをみたが誰もいなかった
「いけない戻らなきゃ…」
きびすを返しわたしは持ち場に戻った