スノードロップ
パーティーは無事に終わった
片付けを素早く終え(珍しく咲に褒められた)
なんとか0時前には舞踏室に着いた
キィとドアを開け 中に入る
なにか音が流れていた
レコードだろうか、
誰か来てるのかな…
「紅々?」
「つ…司さんいらっしゃるんですか、暗くて…よく…」
暗闇に彼の声
辺りを見渡したら 彼は近くにいた…
ちょうど正面の赤いソファーに座っていた
月明かりでぼんやり見えた
消えちゃいそう…
「紅々、鍵しめてきて」
「あ、はい」
カチャリと鍵をし わたしはソファーに近づいた
パーティー会場でみた服装のままだった
上着を投げてネクタイは緩めていた
「…お疲れ様でした」
「はは、ありがとう。」
わたしはとりあえず 司さんの横に座った
前をみたまま彼は話す
「…本当に疲れたよ。いまなら寝れるな…」
「…司さん」
「そうだ…来てくれてありがとう。紅々…」
そっと私の手を握った
「いえ…そんな事…」
当たり前です と言いたかったけど言えなかった