スノードロップ
「若い人には中々興味を持ちにくいからね。お嬢さんみたいな人がいてくれて嬉しいよ…」
「恐縮です。ですが、自分の国に興味を持たない人はいないはずです、自分の生まれた国ですし、きっかけがあれば皆、政治の大切さに気付くと…。…申し訳ございません、余計な事を…」
いけない ついベラベラ話してしまった
「いや構わないよ、そうだね。きっかけが大事なんだね…、司君ら、私ら議員全員の課題だね」
椿さんは軽く首を振りながら微笑んでくれた
「…えぇ」
椿さんはニコニコしながらお茶をすすった
「ありがとう。一ノ瀬さん」
「はい…。」
椿さんを玄関まで見送った後、司さんは呟いた
「椿さん、嬉しそうだったよ。若者が政治に関する事を話してくれて…しかも一ノ瀬さんみたいな若い女性が…」
スーツのポケットに手を入れながら前を見ていた…
「…そうですか…。」
「確かにきっかけが大事なんだろうな、一ノ瀬さんが言ったように“自分の生まれた国”なんだから」
自分の国…
「…が、頑張ってください。」
「ん?あぁきっかけの為にね。」
肩の力が抜けたように司さんはふっと笑った
「……休憩潰してしまったけど、大丈夫…かな」
「えと…はい、何とか……」
うっかり休憩まで潰してしまった……
あちゃあ……