スノードロップ
「……末吉、おれがもう一度涼さんを捜すのを手伝ってほしいと頼んだらお前は反対するか?」
母を探す…。
大学生の頃も末吉に頼んだ事がある。
だが結局、母は見つからなかった
母…
優しくてきれいだった母
声はおぼろげにしか覚えてないが琴の音は覚えている
「……。」
「…見つからない可能性のほうが高いしもしかしたら無駄骨になるかもしれない…。だがもう一度だけ、…」
末吉は微動だにしなかった
整えられた髪が朝日にあたる
「……それが司様のご意志なら私めが反対する理由はございません。」
「お前ならそう言うと思った」
「亡き司郎様にもお約束を致しましたから。あなた様の事を、司様…」
末吉は目を細めながら呟いた
「……涼様があなたさまにお会いしたらすぐお分かりになると思います…司様。」