スノードロップ
+ 本当は…、
朝
蒼井家の玄関には出迎えに向かう使用人が並んでいた
私は並ばなくても良かった(掃除当番だったから)
が気になるので2階の隅から見ることにした
カチャとドアが開く
「お帰りなさいませ、栞様」
末吉さんや佐々部さん他使用人が頭を下げる
「ただいま戻りました。末吉、久しぶり変わりなくて嬉しいわ。皆も」
「ありがとうございます。栞様、長旅でしたが不自由はございませんでしたか」
栞様は なかったわと言った
遠目でしか分からないが末吉さんよりは背が低い
茶色のコートに明るい茶髪の色
「栞、出迎えが遅れてごめんね。お帰りなさい」
奥から奥様の声がした
「ただいま戻りました。母さま、兄様。」
司さんもいるみたいだ
「元気だったか」
「えぇ病気一つしなかったわ。ステイ先のご家族の方が気を使ってくださってくれたから。」
「良かったわ。夜には父様も帰ってこれるみたいだから久しぶりに皆で食べましょうね」
「分かりました。」
会話だけで 改めて自分が政治家のしかもお金持ちの家にいるのだと認識した