スノードロップ
「…司さん、あの…」
がつと足に堅いものがあたった
後ろにあるベッドの足だ
「キスしたい。駄目か」
駄目…なわけ
「えっと…あの…あ…ひゃっ…」
ずっこけて私は後ろのベッドにドサッと座りこんでしまった
「すみません、あの…」
司さんは苦笑した後 かがみこみ私の頬を撫でた
「…大丈夫?」
「大丈夫です。あの…、」
ドキドキする
いつも通り見つめられるならともかく眼鏡越しだと余計ドキドキする
眼鏡にネクタイに白シャツ…おまけに後ろはベッド……
「…あの眼鏡…」
「眼鏡?」
ふっと笑いながら唇に触れる
「…とらないと出来ない…ですよ。……キス」
「とってくれ。俺はいま手が離せないから」
手が離せないって…
左手は私の手を握ってるだけだ
離せない訳ない…
「……」
目をそむけながら私は右手でゆっくり眼鏡を外した