スノードロップ
失礼極まりないよ…
まったく
わたしは何もそんなに司様が好きで仕方ないてくらいじゃない
ただ気になっているだけ
初めてこの家に来た時
実は司様に会った事がある
と言ってもあたしが盗み見たから会った訳ではないけど…
司様は泣いていた。
理由はわからないけど
あの泣いている姿が頭から離れない。
どんなに国会議論で言われても毅然とした態度でいる彼
彼にとって泣くほど悲しい事って何なんだろ
想像が出来ない…
「……一ノ瀬さん」
「司様…何かご用ですか」
寮に戻ろうとしたら声を掛けられた
「水を頼んでいい?…桃子さんが酔ったみたいで」
「……」
わたしはなにも言わず頷いた
司様は厨房まで着いてきた
「…久しぶりに見るな厨房」
「わざわざこちらまでいらっしゃらなくても…。」
ひょいと中だけ見て壁に寄りかかった
「……」