スノードロップ
「…さっき夕食の時いなかったね。何かあった?」
「いえ…、その所用で出ていました。すみません」
水差しに水を入れ、お盆にのせる
「責めてる訳じゃないから、一ノ瀬さんが謝る必要はどこにもない。ただの俺の詮索だから…。行こうか」
「はい…。」
ただの興味。
ただのたくさんいる
メイドの1人に興味…
あんなにきれいな人がいるじゃない
好きじゃないなら優しくなんかしないで
気まぐれだと
からかえるほど私は、大人じゃない
やめて
どうせ居なくなるくせに
残される人の気持ちなんか分からない癖に
カツカツ
「あ、司さぁん。」
「すみません桃子さん、お水を取りに行っていたんです」
笑顔で司さんの傍に桜井さんが 近寄る
「そうだったんですか、ありがとう……うっ…」
「…大丈夫ですか。」
よろけた彼女を司さんが支えた
「司さま…、お部屋を用意…」
わたしは水差しを近くに置いて聞いた…
「いい、部屋は近くだから。水だけ持ってきてくれ」