スノードロップ
「失礼じゃない、確かに綺麗な人だけどね。」
またお会いできますように…
「……綺麗な薔薇にはトゲがあるわよ。気をつけなさいね」
「はぁい……」
綺麗な薔薇…
薔薇…かなぁ、あの人
「…ちょっといいかしら一ノ瀬さん。」
「はい、佐々部さん…」
「いらっしゃい。一ノ瀬さん…わざわざありがとうございます」
「は…ははい。」
何故か 私が花柳さんの家に行く事になった
とても大きなお屋敷だった
「…これお忘れのハンカチです。どうぞ」
すっとハンカチを取り着物の袖に入れていた
仕草が流れるみたいでちょっと見惚れた
「…何か、」
「いえ。その仕草がとても綺麗で…」
そうですかと微笑んだ。
「ちょっとお茶でも飲んでいきませんか…。司の事お話しします」