スノードロップ
+ きれいなもの
広い庭が
見える和室に通された
「お茶美味しいです」
「それは良かった…。」
うっすらと花柳さんは笑う
いいのかな…
こんな呑気にお茶飲んで…
仕事もあるのにそういえばメイドさん
お手伝いさんの姿が見えない
「あのお手伝いさんはいらっしゃらないのですか?」
「いますよ。見えない様に働く事が優秀な使用人の証だというのが父の持論なので姿は見えないだけですが…、」
同じメイドとしてちょっと耳が痛い…
「そうですか…」
「貴方だけという事は司は国会に…」
「はい。今日はいつも通り出掛けられました」
ふぅんと呟き胡座をかいた
「まぁあんな欲望渦巻く所に行きたがりますね。司も…」
欲望渦巻く…?
笑顔を崩さないまま話した。
「そう思いませんか。国の為、国民の為、誰もが口を揃えて言うけど誰一人そんな思いを持ち国事に励む人間はいないと思います…。司は…分かりませんが」
「…それは。…」
わからない…
「……そういう顔をさせたい訳じゃないです。すいません」