スノードロップ




「花柳さんは政治がお嫌いなのですか。」



「嫌いではありません、仕事ですから。一ノ瀬さんも、仕事に好き嫌いはないでしょう」




確かに好き
嫌いはない…けど




「司は好きみたいですよ。代々政治家の家だから当然ですかね…、」




「はい…存じています。」





風が部屋の花を揺らしてる

この家は花が至るところにあるな




「彼とは親が知り合いだから友人なんです。彼は珍しく僕が好きな部類の人間です」





「…貴女も好きなんでしょう。綺麗な花には惹かれますから」



「…えと、その―…。」




急にふられても…
主人の事好きだなんて言えない







「からかうのはその辺りでやめてくれないか花柳。悪趣味だ」



「ははは…。ごめんね、一ノ瀬さん、ハンカチありがとう」




「あ…はい……えと、」




花柳さんは立ち上がり縁側にいる司様に近づいた




「悪趣味だね。司…答えを聞くまで出てこない方が良かったんじゃないかい?」




「……一ノ瀬さん、車があるから乗って、俺は花柳に話がある」



< 27 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop