スノードロップ
「花柳さんは政治がお嫌いなのですか。」
「嫌いではありません、仕事ですから。一ノ瀬さんも、仕事に好き嫌いはないでしょう」
確かに好き
嫌いはない…けど
「司は好きみたいですよ。代々政治家の家だから当然ですかね…、」
「はい…存じています。」
風が部屋の花を揺らしてる
この家は花が至るところにあるな
「彼とは親が知り合いだから友人なんです。彼は珍しく僕が好きな部類の人間です」
「…貴女も好きなんでしょう。綺麗な花には惹かれますから」
「…えと、その―…。」
急にふられても…
主人の事好きだなんて言えない
「からかうのはその辺りでやめてくれないか花柳。悪趣味だ」
「ははは…。ごめんね、一ノ瀬さん、ハンカチありがとう」
「あ…はい……えと、」
花柳さんは立ち上がり縁側にいる司様に近づいた
「悪趣味だね。司…答えを聞くまで出てこない方が良かったんじゃないかい?」
「……一ノ瀬さん、車があるから乗って、俺は花柳に話がある」