スノードロップ
私なんか見えていないみたい…
司様は分厚い本を広げ何か書いている
すごい集中力…
帰ってもいいんだけど…
もう上がっていい時間だけど
近くにあった本を取る
『政治学Ⅱ』
……読む気が無くなる本
漫画くらいしか読まない私には多分理解出来ない…
けど彼は 理解出来る
そしてそれを生かす仕事をしている
なんてすごい人なんだろ
改めて…感じる
司様は 遠い人……
いま 汚職とか裏金とかいろいろあって
政治家への期待なんて薄れてるけど…
みんながみんなそういう訳じゃない
知っててちゃんと努力している人はいる
テレビはそんな人達映さないから
私達は期待しなくなる
なんでそういう人の努力は映されないのだろう。
報われないの…
「……ふう……あっ一ノ瀬さん。まだ居たのか…」
「すいません。一度出てコーヒーを入れ直していたんです、どうぞ」
司様はそうかと言いソファーに座った
「ありがとう。入れ直してくれて…」