スノードロップ
「いるよ。ここ…」
「わっ!…」
あちこちあたりを見回したら小さい灯りが見えた
ライターの火…
「司さま?…」
「…捜しにきたという事は帰らなきゃ行けないのか。はぁ…」
ライターの火は
ゆらゆら揺れている
窓も少し開いていた…
「…君は、」
「えと一ノ瀬です。半年前に入りました」
「一ノ瀬…さん。名前は何て言うの」
小さい男の子
みたいな話し方だった
この人が 司さま…?
「紅々と言います。くれないという字を書きます」
「いい名前だ。」
「はぃ……ありがとうございます」
ちょっとドキドキする…
顔が見えなくて良かった…
「…いひゃっ…火ぃ……が、」
ぼっと目の前に
ライターの火が揺れた
「顔がようやく分かった。よろしく一ノ瀬紅々さん?」
にっと笑う
司さまの顔が見えた
「……っ、はははい。こちらこそっよろしくお願いいたします」
初めて司さまの
顔を見た…
ドキドキした…
「さて戻るか。わざわざ手を煩わせてすまない、一ノ瀬さん」
「いえ…、」