スノードロップ
「きみは望む望まないに関わらず、司に振り回される羽目になる。君が彼を好きだと思う限り…司は…」
風がひゅうと吹く
花柳様の着物がひらひらはためく
「君の気持ちを利用して裏切るよ…、」
裏切る…
紅々 お母さんはね…、
どんなに信じても…
最悪な形で…裏切られる
司様ももしかしたら
そうかもしれない
けど平気…
「知ってます。花柳様、司様じゃなくて人間なら誰でも…裏切ります。」
「……、誰かに裏切られたの。」
「ちょっとだけ…。それが最初で最後だと思います」
「そうか。…」
花柳様は ふっと笑った
花の匂いが
ふわりと香ってくる
「君は綺麗なだけじゃないのか。司が選ぶわけだね…」
「え?」