スノードロップ
画期的な政策で国を立て直した政治家
司郎さまを慕ってる方はたくさんいらして
亡くなった後もこの家を訪れる……
椿さんも確かその1人だったとかなんとか…
「まぁ司様は司郎様に多少似ていらっしゃるから…、面影を求めてこの家に来るのかもね」
「面影って、亡くなってるのにね」
冷たかった司郎様だけど
司様には優しかったのかもしれない…
司様はじい様と言ってたから…
わたしは約束通り10時に書斎にきたけど
司様はいないのは分かっていた…
応接室からは話し声が聞こえたから…
「忙しいのに…。」
俺を好き?…
司はきみを振り回すよ…
望む望まないに関わらず…
振り回す。
でもわたしは一応好きだし…
こんな急展開で気持ちも追い付いていないのに
頭がぐちゃぐちゃしてる
わからない。
「一ノ瀬さん、来てたんだ。待たせてすまない」
「あ……っ、い、いいえ。お疲れ様です」
司様…
本当に疲れたよと苦笑した…
「…無下にも扱えなかったよ。祖父を慕っていた人だし、俺の事かってくれてる人だから…」