スノードロップ
「予定が無かったですから」
司さんはすっとソファーに座った
「今日…俺が話してる時に逃げた?」
じっと私を見た
逃げられない……
「……逃げた訳じゃないです。」
たえられなかった…
関係は何、と聞かれたら
ただのメイドと言うしかない
司はきみを騙すよ…
わかっている
だってあんなあっさり付き合おうなんて…
おかしいとどこかで思っていた
「……気にされたなら…」
「そういう事務的な答えが聞きたいわけじゃない…、」
「騙す癖にそんな事いって何になるんですか!」
司さんはえ…と言った
「…騙す。…誰から何を聞いた?」
「―花柳様が仰っていました。“司はきみを騙す。振り回す”って……、私を何に利用するつもりですか…?」
はぁ…と息をはいた
「…逃げた理由なんか言ってもわかりません。司様…」