魔法使い(17)に恋されて
考察
最近視線を感じる。黒マントくんに親切心を出してしまってから一週間。私の背後には、いつも黒い影が現れるようになってしまった。
「玲奈ー、また見てるよ。変態が」
「らしいねえ」
前の椅子に座って、私の机に頬杖ついてるのは繭(まゆ)。繭はにへっと顔を崩して、癖(くせ)のついたショートカットの髪を揺らした。
「一度親切にしただけでここまで執着するもんかな。迷惑じゃないの?」
私の背後に黒マントくんがいるらしい。繭は私を通してじっと彼を見ている。
「別に。迷惑じゃないよ。それに―――」
くるりと後ろをむく。
「!?」びくっ
明らかに驚いた後に、ダッと逃げ出す彼。
「・・・私に害がある訳ではないし」
「・・・そうだね」