FLOWER
冷房の効いた車内で、
忙しく歩くスーツを着た人たちを見ながら
"今日は「花金」だよ。
定時で上がって飲みに出掛けなきゃいけないね。"
なーんて、心の中で語りかけていたら
さっきのスマイルに気を良くしたのか、タクシーの運転手が話し掛けてきた。
「天神までタクシー使うなんて お嬢さん稼いでるんだね~」
私は作り笑いながらも、軽く頬を緩めて
「そんな事ないですよ。電車とか苦手なんですよね。」
と軽く言葉を返した。