いつか、きっと。

動き始めた時間






――――――――……





カーテンの隙間から風が入り込んできて、爽やかな朝の訪れを知らせる。



まだ眠い瞼をこじ開け、じんわりと汗が滲む額を指で拭った。




少し上の方から規則正しい寝息が聞こえ、視線を移せば、長い睫毛を伏せ、幸せそうに眠る愛しい人が。



思わずホッと安堵のため息をもらす。





少し、心配してたんだ。



朝、目が覚めたらこの人はいなくなっているんじゃないかって。





―――大丈夫だから。早く寝な?





そう柔らかい微笑と共に、腕の中の私に繰り返し話してくれた。



だけど、どうしても素直に眠ることはできなくて。



頑なに首を振る私に、困ったように眉を下げてた。





―――ちゃんといるよ、約束する。





その言葉に、渋々冴えてる瞳を閉じた。
< 102 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop