いつか、きっと。
サクは私にちらりと視線を落として、すぐにそっぽを向いた。
「…別に。ついでだから」
そう言うと、すたすたと歩き出すサク。
その背中を目で追いながら、ほんの少し口元を緩めた。
ほんと、素直じゃない。
“ついで”
なんて、きっと嘘。
わざわざ迎えに来てくれたんでしょう?
私のことを心配して。
「――皐月。何ぼーっとしてんだ。置いてくぞ」
「あっ、待って」
人のことばっかり気にするんだから。
そういうとこ、ほんと兄弟そっくり。
―――自分より他人。
そんな性格だから、本当に大切な人たちを悲しませてしまうんだ。
そう、大切な人を。