いつか、きっと。
風邪
『っんとにお前は…』
呆れ果てたサクの声が電話越しに聞こえる。
罰の悪い顔で居住まいを正す私の傍で、鏡夜は心配そうに眉を寄せた。
「ごめ…、ッケホ……」
『無理しないで、皐月』
私の顔を覗き込む鏡夜。
力なく笑い、大丈夫と目で訴える。
『で?熱は?』
「ん…微熱だよ、大丈夫」
…嘘。
ほんとは38度も熱がある。
けど、本当のことを言ったらサクが怒ることは目に見えてるから…
「だから、心配しないで。明日にはきっと治ってるよ」
それに…