いつか、きっと。




「海、楽しみだね」





明日はみんなで海に行くんだもん。



夏休みに入って三週間ほどが経って、そろそろ宿題のことを考えなきゃいけない時期だけれど。



みんなで約束したんだから。



意地でも治さなくっちゃ。





『……皐月』



「なに?」



『嘘だろ』



「…え?」





呆れたようにため息をつくサク。



どうしたの?と聞こうとした私の手から、するりと携帯電話が抜かれた。





「―――もしもし、俺だ」





驚いて視線を上げれば、私から取り上げた携帯電話に耳を当てる楓の姿が。



ちらりと私に視線を落とし、僅かに眉を寄せた楓。
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