いつか、きっと。
「ちゃんと寝てろよ?母さん、昼過ぎには帰ってくるって」
「ぅん…」
小さく頷いた。
「一応お粥は作ってあったから…食べれたら食べな」
「わかった…」
私の返事を聞くと、楓は私から手を離した。
途端に何だか寂しくなり、楓を見上げる。
「…そんな顔するなよ。行けなくなるだろ」
困ったように楓は笑い、私の頬を撫でた。
その手にそっと手を重ねる。
「楓…明日……」
行きたい―――。
切実に目で訴える私に、楓は何も言わない。
代わりにうっすらと汗ばむ私の肌を撫でた。
「………薬、ちゃんと飲むんだよ」
スクッと立ち上がる楓の背中を眺める。