いつか、きっと。




やっぱりダメなのかなぁ…



楽しみにしていた分、行けないことに落ち込んでしまう。



ケホッ…と咳込み、まるで行けそうにない体が恨めしい。





「―――大丈夫だよ」





突然聞こえた言葉。



荒く浅い息で、何?と答える。





「ちゃんと連れてってやるから」



「か、ぇで…?」



「心配するな。今は自分の体のことだけ考えろ、な?」





首だけを傾け笑う楓に、自然と笑みがこぼれる。





「じゃあな」



「うん…いってらっしゃい」





パタンと静かにドアが閉まり、楓の足音が遠のいた。



軽く息を吐く。
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