いつか、きっと。
「この前の続き、聞かせて?」
『この前?』
「うん。雨の話」
ああ…と思い出したように鏡夜がつぶやく。
そして、おもむろに口を開いた。
『皐月はずっと笑ってられる?』
突然の質問に、キョトンとして鏡夜を見つめ返す。
笑ってられる…?
意味がまるで分かっていない私に鏡夜はクスクスと笑った。
『ごめん。少し唐突すぎたね』
「えっ…と……」
『じゃあ皐月。皐月はどんな時に笑う?』
どんな時―――。
まぶたを閉じ、笑っている情景を思い浮かべる。