いつか、きっと。
『じゃあみっつめ。その人は、とっても優しい人』
「お母さん!」
『ぶー。それからね、とっても明るくて、可愛い人』
「サクっ!」
『…皐月。知ってる人の名前を上げればいいってもんじゃないんだよ?』
「だって…」
全然わかんないんだもん…
シュン…とうなだれる私に、鏡夜は小さく息を吐いた。
『その人はね、皐月。照れて真っ赤になる顔が可愛いんだ。必死になってそれを隠そうとする仕種とか、ね』
「………………」
何、それ。
そんな顔しないで……
鏡夜、わかってる…?
その人の話をする時、鏡夜の顔がとっても優しいこと。
鏡夜にそんな顔をさせるその人って誰なの…?